誰も悪くないと思うことにしよう

ついさっき、オカンが見慣れたオレンジ色の封筒を持って
おらの部屋にやってきた。 

そのオレンジ色の封筒は
そう明菜さんファンクラブ会報の封筒。

「まちがって配達されていた。
近所の家の植木に挟まっていた。」

と少し湿ったオレンジ色の封筒を差し出した。

「封筒に書いてある名前（ＦＡＩＴＨＷＡＹ）が
見たことがあった名前やったからわかった」
（それでも一回通り過ぎて、戻ってきてわかったらしいが）
「宛名シールがにじんでいたけど、よくみたら○○（おらの本名）
って何とか読めたからよかったわ」

過去に、郵便受けにそのオレンジの封筒を見つけた時だけ
おらが「キャー」
って喜んでいるのを何回も見てるから覚えていたのだろう

「一応拭いたけど、大丈夫？」
って心配そうな視線を感じながら封筒を開けてみる。

ちょっと波うってるけど大丈夫そうではある。

「うん。大丈夫ぽいありがとう」

誰も悪くない。

っと思うことにしよう。

今は会報が、無事におらの手元に届いたってことにホッとしている。
会報自体がぬれてるわけじゃなさそうだし
これでしばらくは、他の所には届いてるぽいのに
おらのところには届いてないってヤキモキしないですむ。

夏のお知らせはなかったけど